ブレーキフルードと交換方法 ブレーキフルードは、バイクの安全性を維持するための重要な役割を果たしています。この液体は、ブレーキレバーの操作力をタイヤ側のブレーキキャリパーに正確に伝える役割を持っています。適切にメンテナンスされていない場合、ブレーキの効きが悪くなり、重大な事故につながる可能性があります。本記事では、ブレーキフルードの種類、選び方、交換手順、交換後の確認ポイントについて詳しく解説します。 ブレーキフルードの種類とその特徴 ブレーキフルードは「DOT規格」によって分類されており、主にDOT3、DOT4、DOT5、DOT5.1の種類があります。この規格はフルードの特性を示しており、主成分や沸点に違いがあります。 DOT規格とは? DOT規格とは、アメリカ運輸省が制定した基準で、ブレーキフルードの性能を示すものです。以下にそれぞれの特徴を紹介します。 DOT3: グリコールを主成分とし、適度な性能を持ちつつコストが比較的安い。古い車両や低負荷のバイクに多く使われます。 DOT4: DOT3よりも高い沸点を持ち、吸湿した場合でも比較的安定した性能を発揮します。多くの現行車両で使用されています。 DOT5: シリコーンを主成分とし、吸湿しない特徴があります。しかし、互換性の問題から特定の車両のみで使用されます。 DOT5.1: DOT4と同様にグリコール系ですが、さらに高い性能を発揮します。高性能バイクや競技用車両に適しています。 フルード選びのポイント フルードを選ぶ際は、バイクの取扱説明書やマスターシリンダーに記載されている指定規格を必ず確認しましょう。異なる規格を混合して使用するのは避けるべきです。例えば、グリコール系(DOT3、DOT4、DOT5.1)とシリコーン系(DOT5)を混ぜると、フルードが分離してブレーキ性能に悪影響を及ぼす可能性があります。 ブレーキフルード交換のタイミングと頻度 ブレーキフルードは、空気中の水分を吸収して劣化する性質があります。このため、定期的な交換が必要です。 交換の目安 走行距離: 1万~2万kmを目安に交換するのが一般的です。 使用年数: バイクの走行頻度にかかわらず、2年に1度は交換をおすすめします。特にバイクをあまり乗らない場合でも、空気に触れるだけで劣化が進みます。 液体の色: ブレーキフルードは新品時は透き通った黄金色をしていますが、劣化すると茶色く濁ります。この場合は交換のサインです。 ブレーキフルード交換に必要な道具 交換作業を行う前に、以下の道具を用意しましょう。 適切な規格のブレーキフルード スポイトまたはシリンジ(古いフルードの抜き取り用) ゴムホース(耐油性のものを推奨) 容器(使用済みフルードを受けるため) スパナやモンキーレンチ(ブリーダーボルトを緩める際に使用) ウエスや布(フルードがこぼれた際に拭き取るため) 保護用手袋(ブレーキフルードは肌に刺激を与える可能性があります) ブレーキフルード交換の手順 以下の手順に従って、安全に作業を進めましょう。 1. マスターシリンダーの準備 最初にマスターシリンダーのキャップを外し、中にあるダイヤフラム(ゴムの蓋)を取り外します。ウエスを周囲に敷いておくと、フルードがこぼれた場合に塗装を傷めるリスクを軽減できます。 2. 古いフルードの抜き取り スポイトやシリンジを使用して、古いフルードをできるだけ抜き取ります。その後、少量の新しいフルードを入れて軽く撹拌し、再度抜き取ることで内部を洗浄します。 3. 新しいフルードの補充 新しいフルードをマスターシリンダーに補充します。マスターシリンダーが空にならないよう、LOWERラインを切る前に随時追加してください。 4. ブリーダーボルトからの排出 ゴムホースをブリーダーボルトに接続し、もう一方を容器に入れます。ブレーキレバーを握った状態でボルトを緩め、フルードを排出します。この際、ブレーキレバーがグリップに当たったらボルトを締め、作業を繰り返します。 5. エア抜き作業 交換作業中に気泡が混入すると、ブレーキの効きが悪くなる原因になります。ブレーキレバーを握り、ふわっとした感触がなくなるまで操作を繰り返して空気を抜きます。 6. 作業の完了 最後にマスターシリンダーのUPPERラインまでフルードを補充し、キャップを元に戻して作業終了です。 交換後の確認ポイント 作業が終わったら、以下のポイントを確認してください。 ブレーキレバーの感触: 固くしっかりとした操作感があるか確認します。ふわっとした感触がある場合は、再度エア抜き作業を行う必要があります。 液漏れの有無: ブリーダーボルトやマスターシリンダー周辺からの液漏れがないか点検します。 走行テスト: 作業後は安全な場所で低速走行を行い、ブレーキの効き具合をチェックします。 自分で交換するか、業者に依頼するか? 自分で交換するメリット 工賃がかからないためコストを抑えられる 自分の手で愛車を整備する満足感を得られる 業者に依頼するメリット 確実で安全な作業を短時間で行ってもらえる 点検や他の整備も同時に依頼できる 自信がない場合や特殊な車両(ABS搭載車など)の場合は、業者に依頼するのが安心です。 まとめ ブレーキフルードは、バイクの命とも言える重要なパーツの一部です。適切な種類を選び、定期的に交換することで、ブレーキの性能を最大限に発揮し、安全な走行を維持できます。自分で交換する際には、正しい手順と道具を使い、安全第一で作業を進めましょう。不安がある場合は、信頼できる業者に依頼するのがおすすめです。